2006年9月 7日 (木)

ロイヤル・オペラで演出家が退場

 9月5日、ロイヤル・オペラの《偽の女庭師》リハーサル初日、演出家のクリストフ・
ロイが指揮者のジョン・エリオット・ガーディナーと意見を対立、ロイはリハーサル
を放棄し、その後行方不明となった。
 このオペラはモーツァルト生誕250年記念として9月21日から新演出で上演されるこ
とになっている。
 《偽の女庭師》はモーツァルト18歳の作品だが、オリジナル通りに上演すると長す
ぎるために、相当のカットが必要とされているが、ロイは既にドイツのライン・オペ
ラでこのオペラを演出しており、コヴェント・ガーデンでも同じバージョンで行くと
決めていたようだ。それに対し、ガーディナーは「私はカットについてロイと協議し
ようとしたけれど、彼はその意志が無く、彼の行方は分からなくなった」と語ってい
る。オーストリアにあるロイのエージェントはコメントを避けている。
 9月6日、ロイヤル・オペラはロイに代って彼の助手のアニカ・ハラーが演出を担当
すると発表した。
 ロイはドイツのエッセン生まれで、リュック・ボンディの助手を務めた。ロイヤル・
オペラ音楽監督のアントニオ・パッパーノとは、ブラッセルのモネ劇場音楽監督時代
に親交を深め、《フィガロの結婚》や《バラの騎士》他多数の演出をした。ロイヤル・
オペラでは2002年に《ナクソス島のアリアドネ》でデビューし、ローレンス・オリヴィ
エ賞にノミネートされている。
(洋子フォガティ/音楽ジャーナリスト・在ロンドン)

[ロイヤル・オペラ公式サイト] http://www.royalopera.org/

9月 7, 2006 海外ニュース/イギリス |

2006年9月 5日 (火)

プロムスのコンサートが史上初のキャンセル

 ロイヤル・アルバート・ホールで開催中のプロムスで9月3日のコンサートがキャンセルになった。
 3日、午後3時頃、ホール地下のアーティスト用キャンティーン付近から出火。すぐにスプリンクラーが作動したが、スプリンクラーの水が電気系統に入り、ホール内は完全に停電となった。消防車も駆けつけたが、6時半の開幕までには修復できず、ついにキャンセルのやむなきに至った。
 プログラムはクリストフ・エッシェンバッハ指揮、フィラデルフィア管弦楽団によるベートーヴェンの第九の予定であった。第九はプロムスで毎年演奏される看板コンサートである。
 幸いにもけが人はなく、楽器の破損も免れた。6000人収容のホールは500人分の当日券以外は完売になっていた。最寄の地下鉄駅では場内アナウンスでキャンセルを知らせた。
 4日(月曜日)のコンサートもエッシェンバッハとフィラデルフィア管で、これは無事に催行されたが、演奏が始まる前にプロムス最高責任者のニコラス・ケニヨンが舞台に上がり謝罪した。
エッシェンバッハは暖かい拍手で迎えられ、ベートーヴェンの《運命》とチャイコフスキーの交響曲第5番を重厚かつきびきびとした演奏で終始。満員御礼の客席は足を踏み鳴らし、手拍子で応えた。
スメタナの《売られた花嫁》第3幕のサーカスのダンスをアンコール曲にして、波乱のプロムスは締めくくられた。
 第2次世界大戦中の爆撃下も休むことなく続行したプロムスだが、キャンセルとなったのは初めてのこと。
 ラストナイトは今週の土曜日。BBC交響楽団を指揮するのはマーク・エルダーである。
(洋子フォガティ/音楽ジャーナリスト・在ロンドン)

[プロムス公式サイト] http://www.bbc.co.uk/proms/

9月 5, 2006 海外ニュース/イギリス |

2006年9月 3日 (日)

ザ・タイムズがイギリスのオーケストラ・リーグを発表

 【ロンドン発】9月1日の新聞ザ・タイムズは、首席音楽評論家リチャード・モリソンがイギリスのオーケストラ・リーグを発表した。彼の選んだトップ10オーケストラは以下である。( )はチーフ・コンダクター

 ●第1位 ハレ管弦楽団 (マーク・エルダー) ジョン・バルビローリ以来の栄光を取り戻しつつある。

 ●第2位 ロンドン交響楽団 (コリン・ディヴィス)洗練されたデイヴィスから火山のようなゲルギエフにバトンタッチされる。

 ●第3位 ノーザン・シンフォニア (トーマス・ゼットマイヤー)本拠地ゲイツヘッドの新ホールはオケと共に注目の的。

 ●第4位 BBC交響楽団 (イルジー・ビエロフラーベク) 公共予算に支えられ、十分なリハーサルが取れている。

 ●第5位 フィルハーモニア (クリストフ・フォン・ドホナーニ) 1年間のホーム・ページへのアクセス数は2300万回。

 ●第6位 BBCフィルハーモニック (ジャナンドレア・ノセダ) ラジオ放送によるベートーヴェン交響曲無料ダウンロードで有名に。

 ●第7位 ロンドン・フィル (クルト・マズア) 来年度からカリスマ指揮者ウラジミール・ユロウスキにバトンタッチ。

 ●第8位 バーミンガム市響 (サカリ・オラモ) 経済危機にもめげず、ラトル時代の冒険性を維持。

 ●第9位 ボーンマス交響楽団 (マーリン・オルソップ) 主要オケ唯一の女性指揮者。

 ●第10位 ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル交響楽団 (ステファン・ドヌーブ) 34歳、カーリーヘヤーのドヌーブの魅力。

(洋子フォガティ/音楽ジャーナリスト・在ロンドン)

9月 3, 2006 海外ニュース/イギリス |