プロムスのコンサートが史上初のキャンセル
ロイヤル・アルバート・ホールで開催中のプロムスで9月3日のコンサートがキャンセルになった。
3日、午後3時頃、ホール地下のアーティスト用キャンティーン付近から出火。すぐにスプリンクラーが作動したが、スプリンクラーの水が電気系統に入り、ホール内は完全に停電となった。消防車も駆けつけたが、6時半の開幕までには修復できず、ついにキャンセルのやむなきに至った。
プログラムはクリストフ・エッシェンバッハ指揮、フィラデルフィア管弦楽団によるベートーヴェンの第九の予定であった。第九はプロムスで毎年演奏される看板コンサートである。
幸いにもけが人はなく、楽器の破損も免れた。6000人収容のホールは500人分の当日券以外は完売になっていた。最寄の地下鉄駅では場内アナウンスでキャンセルを知らせた。
4日(月曜日)のコンサートもエッシェンバッハとフィラデルフィア管で、これは無事に催行されたが、演奏が始まる前にプロムス最高責任者のニコラス・ケニヨンが舞台に上がり謝罪した。
エッシェンバッハは暖かい拍手で迎えられ、ベートーヴェンの《運命》とチャイコフスキーの交響曲第5番を重厚かつきびきびとした演奏で終始。満員御礼の客席は足を踏み鳴らし、手拍子で応えた。
スメタナの《売られた花嫁》第3幕のサーカスのダンスをアンコール曲にして、波乱のプロムスは締めくくられた。
第2次世界大戦中の爆撃下も休むことなく続行したプロムスだが、キャンセルとなったのは初めてのこと。
ラストナイトは今週の土曜日。BBC交響楽団を指揮するのはマーク・エルダーである。
(洋子フォガティ/音楽ジャーナリスト・在ロンドン)
[プロムス公式サイト] http://www.bbc.co.uk/proms/
9月 5, 2006 海外ニュース/イギリス | Permalink
