2006年8月31日 (木)
ベルリン・シュターツカペレ、新シーズン最初の定期演奏会の変更
ベルリン・シュターツカペレは9月5日と6日、06/07シーズン最初の定期演奏会を行う。ただし、ソリストとして予定したマルタ・アルゲリッチは『家庭の事情』により出演をキャンセルした。さらにこのコンサートで世界初演するはずだったピエール・ブーレーズの《Notation VIII》は作曲が間に合わず、このプログラムも変更することになった。
アルゲリッチの代役は、指揮のダニエル・バレンボイムだ。彼が指揮に加えピアノを引き受け、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番を演奏する。またブーレーズの作《Notation》は、初演作品に代えてIからIVとVIIを演奏する。その他のプログラムはR.シュトラウス《ドン・ファン》とブラームスの交響曲第4番だ。
なお、ブーレーズの《Notation VIII》は、完成次第ベルリン・シューターツカペレが世界初演することになっている。(来住 千保美)
8月 31, 2006 海外ニュース/ドイツ | Permalink
2006年8月30日 (水)
ヴァイオリニストのフェドトフがロシア・フィルの音楽監督に就任
1995年創立のロシア・フィルハーモニー管弦楽団は、指揮者アレクサンドル・ヴェデルニコフと2度来日公演を行ったこともある若い団体だが、8月29日付でヴァイオリニストのマクシム・フェドトフが新音楽監督兼首席指揮者に就任した。フェドトフは1961年生まれ、1986年に行われた第8回チャイコフスキー国際コンクールのヴァイオリン部門で2位に入賞し、演奏・録音活動を精力的にこなしている。意外とも思われる人事だが、彼の父はペテルブルグのマリインスキー劇場の名指揮者でたびたび来日もしたヴィクトル・フェドトフ。彼は父から基礎を学び、さらにモスクワ音楽院でも指揮法を修めた。彼がロシア交響楽団(近頃西本智実とチャイコフスキーの交響曲第7番の日本公演をした団体)の首席指揮者であるとする資料もあるが、今回がまぎれもない指揮者デビュー。主なレパートリーをロシア物に据え、ロシア・フィルの名にふさわしい活動を展開したいと抱負を語った。(マリーナ・チュルチェワ)
8月 30, 2006 海外ニュース/ロシア | Permalink
2006年8月28日 (月)
東京音楽コンクール ピアノ部門本選
【東京発】先週金曜日の弦楽器部門に引き続き、東京音楽コンクールの
ピアノ部門の本選が8月28日(月)上野・東京文化会館 大ホールで行われた。
会場には熱心な音楽ファンが大勢集まり、若者たちの真摯な戦いを見守った。
先週に引き続き、伴奏を務めたオーケストラは、沼尻竜典指揮の東京フィル。

写真:最高位に入賞した齊藤一也さん
第1位 該当者なし
第2位 齊藤一也(さいとうかずや)
1990年生まれ。 東京藝術大学付属高校2年。
第3位 川田健太郎(かわだけんたろう)
1983年生まれ。 モスクワ国立音楽院在学中。
入選 佐野沙希(さのさき)
1982年生まれ。 東京藝術大学卒業。
入選 水谷桃子(みずたにももこ)
1991年生まれ。 神戸海星女子学院中学3年。
今回の第1位は該当者なし。一生懸命に精進してきた挑戦者たちには
厳しい判断だったかもしれない。しかし、おそらく審査員たちは、「より
高いところを目指して翔んでほしい」と願っての決断だったのだろう。
コンクールの結果も大切だが、これはあくまで「登龍門」。参加者の
今後の成長・活躍に期待したい。 (山本浩/クラシック・ジャパン)
8月 28, 2006 国内ニュース | Permalink
2006年8月27日 (日)
ヘンツェ《午後の曳航》
未曾有のスタンディング・オベーション
【ザルツブルク発】8月26日午前11時、ザルツブルクの祝祭大劇場において、ハンス・ヴェルナー・ヘンツェの歌劇《午後の曳航》(2006年、ザルツブルク・バージョン)が世界初演された。指揮は、これまでヘンツェの作品を数多く初演してきたドイツの巨匠ゲルト・アルブレヒト。この歌劇は、三島由紀夫の名作「午後の曳航」をテキストにして作られた、ヘンツェの歌劇《裏切られた海》(1986〜89年)を、2003年よりヘンツェ自身により改作を重ねたもの。まずは2003年10月に東京・サントリーホールで読売日本交響楽団によって初演され、それにヘンツェはさらに手を入れ、今回の版の初演となった。
歌手は、日本から栄えある主役に招かれた、緑川まり(黒田房子役)、三原剛(塚崎竜二役)、高橋淳(黒田登役)の3人を中心に、ドイツやオーストリアで活躍している日本人、韓国人、イスラエル人のキャストを加えた計7人。歌詞は、ドイツ語のテキストを、ヘンツェの弟子で作曲家の猿谷紀郎と、ドイツ文学研究者の藁谷郁美の両氏によって、日本語のテキストに変えられたもので歌われた。当日会場には、ドイツ語と英語の字幕が用意された。そのまったくスキのない演奏が終わるやいなや、観客は総立ち、いわゆるスタンディング・オベーションとなり、会場はブラボーと拍手の嵐に包まれた。終演となっても、ヘンツェの席のまわりにはたくさんの観客が集まり、作曲家の偉業を讃えていた。
(真田好白/クラシック・ジャパン)
PHOTO
<上>総立ちの観客に迎えられるアルブレヒトと出演者たち
<下>会場のヘンツェ。後ろはザルツブルク音楽祭総監督ペーター・ルジツカ。
8月 27, 2006 海外ニュース/オーストリア | Permalink
2006年8月26日 (土)
ヘンツェ《午後の曳航》リハーサル
【ザルツブルク発】いま、2006年度のザルツブルク音楽祭が開催中だが、ハンス・ヴェルナー・ヘンツェの話題作、歌劇《午後の曳航》(演奏会形式)の総合リハーサル(ゲネプロ)が、25日午前10時から午後1時まで、ゲルト・アルブレヒト指揮のイタリア放送交響楽団(RAI)により、祝祭大劇場において行われた。この舞台、当日会場に現れたザルツブルク音楽祭総裁、ペーター・ルジツカによると、本来は我が国の読売日本交響楽団のために用意されたものだったという。
格式高いザルツブルク音楽祭、しかも祝祭大劇場で欧州音楽界の至宝ともいうべきヘンツェの新作を世界初演できるという、すべてが日本初で破格の栄誉あるものだったが、読響側に一方的にキャンセルされ、その折りに読響のトップがアルブレヒトのことを「たかが指揮者」と放言したという記事が週刊誌で報道され、スキャンダルとなったのは、記憶に新しいかたも多いだろう。
読響に変わって登場した、トリノを本拠に置くRAIは、イタリアで実力No.1のオーケストラ。弦楽器から管楽器までまったくスキのない見事なアンサンブル。ヘンツェのこの作品は、いくつかの国内オーケストラが演奏しているが、日本のオーケストラがどこも成し得なかった完成度で、客席にいた報道陣を圧倒した。また、日本初演時のキャストから起用となった高橋淳、緑川まり、三原剛の主役3人も安定した歌唱を聴かせ、明日の本番には万全の構え。残りのキャストは、ドイツの歌劇場などで活躍している日本人や韓国人、イスラエル人の混成チーム。なかでも、副主役とでもいうべき「首領」を歌ったバリトンの小森輝彦が巧みにキャラクターを描き分けて好評だった。この日、ヘンツェ自身もイタリアから駆けつけ、出演者らにねぎらいの言葉をかけていた。なお、今回の版は、2003年の日本初演時のものに、オーケストレーションの改作や新たに器楽部分を付け加えた、2006年ザルツブルク・ヴァージョンとでもいうもので、世界初演をうたっている。明日の本番は午前11時、祝祭劇場にて。
(真田好白/クラシック・ジャパン)
PHOTO
<上>左、ザルツブルク音楽祭総裁ペーター・ルジツカ、右、ゲルト・アルブレヒト。リハーサル会場に顔を見せたハンス・ヴェルナー・ヘンツェを囲んで。
<下>リハーサル風景。首領〜5号の少年役たち。左端・高橋淳、中央・小森輝彦。
8月 26, 2006 海外ニュース/オーストリア | Permalink
2006年8月25日 (金)
東京音楽コンクール弦楽器部門本選
【東京発】昨年、驚異の中学生ピアニスト北村朋幹を輩出したことで大きな注目を集めた東京音楽コンクールは、今年で第4回目を迎えた。今回ピアノ部門と弦楽器部門の2つだが、弦楽器部門の本選が、ピアノ部門に先駆け、8月25日(金)東京文化会館で行われた。
写真:審査結果の前で受賞を喜ぶ小熊佐絵子さん
第1位 小熊佐絵子(おぐま さえこ)
ヴィオラ。1980年生まれ、桐朋学園大学研究科修了。
第2位 依田真宣(よだ まさのぶ)
ヴァイオリン。1985年生まれ、東京藝術大学3年。
第3位 アデル・亜貴子・カーンズ(Adelle-Akiko Kearns)
チェロ。1980年生まれ サンフランシスコ音楽院卒業。
入選 江島有希子(えじまゆきこ)
ヴァイオリン。1982年生まれ、桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ コース卒業。
なお、今年から本選にオーケストラ伴奏が導入され、沼尻竜典指揮の東京フィルがサポートを務めた。協奏曲が4曲という長いプログラムは、オーケストラによる好サポートを得て、より充実したコンクールになった。また、第3位のアデル・亜貴子・カーンズが演奏したコルンゴルドのチェロ協奏曲は、なんと日本初演。実に果敢な挑戦と言えるだろう。
コンクールとしては多くの聴衆が、若い才能を競い合う「協奏曲の夕べ」を堪能し、あたたかく見守っていた。
来週28日(月)には、17時からピアノ部門の本選が行われる。会場は、同じく上野・東京文化会館大ホール。 (山本浩/クラシック・ジャパン)
8月 25, 2006 国内ニュース | Permalink
2006年8月24日 (木)
第30回ピティナ・コンペティション全国決勝大会の
結果発表と表彰式が行われる
【東京発】
第30回ピティナ・ピアノコンペティション全国決勝大会が8月20日〜22日に
第一生命ホールほか都内主要ホールで行われ、本日23日に都内ホテルで結果発表と
表彰式があった。
特級のグランプリには、前山仁美(まえやまひとみ)に決まり、併せて聴衆賞、
文部大臣賞、ミキモト賞、読売新聞社賞、王子賞、三菱鉛筆賞も受賞した。
前山は、モスクワ音楽院に留学中の19歳。音楽院ではパーヴェル・ネルセ
シアン教授に、日本では江口文子氏に師事。
同じく特級の銀賞には、恩田佳奈(おんだ かな、東京芸術大学大学院2年)、
銅賞には保屋野美和(ほやの みわ、東京音楽大学4年)に決まった。
なお、前山ら受賞者が出演するコンサートとして、王子賞受賞披露演奏会(来年2月11日 日曜日 14時から王子ホール)、受賞者記念コンサート(来年3月28日 水曜日 紀尾井ホール12時30分と16時開演の2回公演)が予定されている。(山本浩/クラシック・ジャパン)
第30回ピティナ・ピアノコンペティション
全国決勝大会 結果一覧
http://www.piano.or.jp/compe/2006/result/final/index.html
8月 24, 2006 国内ニュース | Permalink
2006年8月23日 (水)
ドイツ劇場連盟が04/05シーズンの統計を発表
ドイツ劇場連盟は22日、ドイツ語圏3か国の前々シーズン、04/04シーズンの劇場統計を発表した。
これによると、このシーズン中最も数多く上演されたのはモーツァルトの《魔笛》で、45演出で541回上演され、32万5千人ほどの観客を集めている。2位はフンパーディングの《ヘンゼルとグレーテル》で、25演出で262公演15万3千人の観客を集めた。
以下、モーツァルト《フィガロの結婚》22演出210公演・10万人の観客、ビゼー《カルメン》22演出184公演・15万人の観客、モーツァルト《後宮からの誘拐》19演出182公演・12万8千人の観客、プッチーニ《ラ・ボエーム》18演出117公演・8万5千人の観客、ヴェルディ《ラ・トラヴィアータ》17演出182公演・12万6千人の観客、ベートーヴェン《フィデリオ》16演出125公演・8万3千人の観客、ウェーバー《魔弾の射手》16演出121公演・7万9千人の観客、モーツァルト《コジ・ファン・トゥッテ》15演出118公演・7万人、以上がトップテンとなっている。(来住千保美)
8月 23, 2006 海外ニュース/ドイツ | Permalink
2006年8月22日 (火)
ムター&プレヴィンが離婚
【ミュンヘン発】スター・ヴァイオリニストのアンネ=ゾフィー・ムター(43)とスター指揮者のアンドレ・プレヴィン(77)夫妻が離婚していたことが21日までに分かった。ミュンヘンのムターの事務所が確認した。離婚理由、その他詳細は不明。
二人は4年前、ニューヨークで結婚して話題を集めた。ムターには、1995年に病気で亡くなった前の夫との間に、2人の子供がいる。また、プレヴィンにとってムターは5人目の妻で、かつての妻たちの中には女優のミア・ファーローなどがいる。(来住千保美)
8月 22, 2006 海外ニュース/ドイツ | Permalink
2006年8月21日 (月)
小菅優がザルツブルク音楽祭で異例の成功デビュー
【ザルツブルク発】20日夜、ヨーロッパでもトップの格式を誇るザルツブルク音楽祭のデビューシリーズに、ピアニストの小菅優が登場した。幼少時から天才ピアニストとして活躍してきた彼女だが、この音楽祭でリサイタルを受け持つピアニストは、日本人では内田光子以来2人目というから、ザルツブルク当局の彼女への注目度の高さがわかろうというもの。会場は、かつて小菅自身が学んだモーツァルテウム音楽院の大ホール。プログラムは今年のテーマに合わせ、モーツァルト作品で構成され、前半の最後に、西村朗への委嘱作品〈カラヴィンカ〉が置かれた。欧州ではまだまだ無名ということもあって、会場は8割程度の入りだった。しかし、演奏会が始まると、その完成度の高いピアニズムと音楽性に皆ど肝を抜かれ、1つ演奏が終わるごとに、観客の拍手と足踏みが高まっていき、最後には口笛まで入り乱れるほどの大盛況となった。小菅が西村に委嘱した新作はつい最近完成したばかり、とのことだったが、驚くべきことにそれをも暗譜で演奏してのけた。観客に望まれるまま、リストなどヴィルトオーゾ・ピースのアンコールを4曲も弾いて、さらに観客を熱狂させた彼女。間違いなく、将来の大ピアニスト誕生の瞬間に立ち会った。
(真田好白/クラシック・ジャパン)
【プログラム】
●モーツァルト:歌劇〈後宮への逃走〉序曲(作曲者による編曲)
●モーツァルト:ピアノ・ソナタ 変ホ長調 KV282
●モーツァルト:ピアノ・ソナタ ト長調 KV283
●西村朗:Kalavinka(2006年、世界初演)
●モーツァルト:デュポールの主題による9つの変奏曲 ニ長調 KV573
●モーツァルト:ジーグ ト長調 KV574
●モーツァルト:ピアノ・ソナタ イ長調 KV331「トルコ行進曲付き」
[関連サイト]ザルツブルク音楽祭 公式ホームページ
8月 21, 2006 海外ニュース/オーストリア | Permalink
城之内ミサが「平和のためのユネスコ・アーティスト」に
【パリ発】ユネスコ(国連教育科学文化機関)が18日、作曲家の城之内ミサ(45)を「平和のためのユネスコ・アーティスト」に任命した。「平和アーティスト」は、教育・文化面における国際協力を通じ、世界平和に貢献していると評価された国際的な芸術家に与えられるタイトルで、過去にバレリーナの吉田都、ヴァイオリニストの二村英仁が就任している。城之内は東邦音楽短大在学中から作曲活動をはじめ、多くのテレビや映画の音楽を手掛けた。1995年にパリ・オペラ座で自作のシンフォニーを指揮。ユネスコ本部でコンサートを行った経験もある。
8月 21, 2006 | Permalink
2006年8月20日 (日)
富士山河口湖音楽祭が閉幕
【河口湖発】山梨県富士河口湖町で開かれていた「富士山河口湖音楽祭2006」が19日、音楽祭を監修した佐渡裕指揮の吹奏楽団「シエナ・ウインド・オーケストラ」のコンサートで幕を閉じた。音楽祭は13日から行われていた。この日は、パーカッショニスト池上英樹を迎えてのコンサートで、そこに山梨県中学生特別バンド、高校生特別バンド、特別合唱団+高校生特別バンド(指揮:佐渡裕、加養浩幸)が出演。第一部は、20世紀FOXファンファーレや河辺公一の《高度な技術への指標》、第二部は「音楽のおもちゃ箱」とネーミングされ、 佐渡のトークに加えて、バーンスタインのミュージカル《ウェストサイド・ストーリー》より〈シンフォニックダンス〉などが演奏され、観客も持参した楽器や手に持った物で演奏に加わって盛り上がった。
8月 20, 2006 | Permalink
2006年8月18日 (金)
サイトウ・キネン・フェスティバル松本」が開幕
【松本発】長野県松本市を舞台にした「サイトウ・キネン・フェスティバル(SKF)松本」が17日夜、市内のザ・ハーモニーホールで開幕した。公演には病気療養から復帰したSKFの総監督で指揮者の小沢征爾も姿を見せ、聴衆から温かい拍手で迎えられた。SKFは今年で15年目。今年のメインはメンデルスゾーンのオラトリオ《エリア》で小澤が指揮する。オーケストラ・コンサートでは、小澤に加えて、アラン・ギルバートが指揮台に立つ。
17日に菅谷昭・松本市長と報道陣の前に立った小澤は「病気したからだめになった、と言われるのは悔しいので、張り切ってやりたい」と述べ、この15年を「あっという間だった」と振り返り、今後について「若い人たち、次の人たちをなるべく仲間に取り込んでいけば、この先もずっと続くんじゃないか」と述べている。
8月 18, 2006 | Permalink
2006年8月16日 (水)
セント・ルイス交響楽団
「プロムス」をキャンセル
【セントルイス発】イギリス旅客機に対する爆弾テロ計画の余波を受け、17日のプロムスに出演が予定されていたセントルイス交響楽団の訪英がキャンセルされた。指揮者のドナルド・ラニクルズもキャンセルした。
セント・ルイス交響楽団に代わって客演するのは、オペラ・ホランドパークのシーズンを終えたばかりのシティ・オブ・ロンドン・シンフォニア。元イングリッシュ・ナショナル・オペラ音楽監督で、去年プロムスのラストナイトを振ったポール・ダニエルが指揮する。プログラムに変更はなく、ストラヴィンスキーの《ダンバートン・オークス協奏曲》、ワーグナーの《ジークフリード牧歌》、モーツァルトの交響曲第41番《ジュピター》。ルトスラフスキーの《Paroles Tissées》(綴られた言葉)は予定通りイアン・ボストリッジが歌う。
8月 16, 2006 | Permalink
2006年8月15日 (火)
ネトレプコにオーストリア市民権
【ザルツブルク発】人気ソプラノ歌手、アンナ・ネトレプコにこのほど、特例でオーストリア市民権が与えられた。ネトレプコはこの夏のザルツブルク音楽祭で注目を集めるモーツァルトの歌劇《フィガロの結婚》にスザンナ役で出演しているが、開幕前に与えられたもの。オーストリアに対する貢献が高く評価されたが、ネトレプコは今後、ロシアと2つのパスポートを持つことになる。
8月 15, 2006 | Permalink
2006年8月14日 (月)
フジ・テレビがこの秋
「のだめカンタービレ」をドラマ化
【東京発】フジテレビがこの秋、クラシック音楽の世界をコミカルに描いた人気漫画「のだめカンタービレ」を連続ドラマ化することになった。放送されるのは月曜午後9時放送の「月9」枠。主人公の天才ピアニスト「のだめ・野田恵」を上野樹里(20)、彼女が一目惚れする先輩を玉木宏(26)が演じる。新番組の放送は10月16日スタート。
ドラマ化される「のだめカンタービレ」は2001年から雑誌「KISS」(講談社)に掲載されている二ノ宮知子さんの人気漫画。クラシック音楽の世界を個性的なキャラクターでコメディーとして描いている異色の作品で、コミックの売り上げ累計が1100万部という人気を誇る。作品に出てくる曲を集めたCDが発売されたり、演奏会が行われたりとブームを広げており、ファンの間でテレビ・ドラマ化が熱望されていた。民放各局が激しい争奪戦を展開したが、フジテレビの「月9」が獲得することになった。
ヒロインを演じる上野は「原作の漫画がとても面白いので、ドラマもそれに負けないように最後までパワフルにハートフルに頑張りたい」と話すなど意欲満々。一方、玉木は「ピアノ、バイオリン、指揮も初めての経験で、ただいま猛特訓しております。全身全霊をこめて千秋を楽しんで演じきりたい」と語っている。また、原作ではドイツ人という設定の世界的指揮者役を竹中直人が演じる。
8月 14, 2006 | Permalink
2006年8月12日 (土)
ヴュルツブルク市立劇場の音楽総監督
中国人のジン・ワンに決定
【ヴュルツブルク発】ヴュルツブルク市はこのほど、市立のマインフランケン劇場の音楽総監督(GMD)に中国人指揮者のジン・ワン(46)を起用すると発表した。契約期間は2006/07シーズンから4年間。音楽総監督就任最初のシーズンでは、モーツァルトの歌劇《偽りの女庭師》のプレミエ公演を指揮することになっている。ジン・ワンは北京生まれで、北京とウィーンで指揮法を学び、レナード・バーンスタインやズビン・メータに師事している。2003/2004シーズンからベルリン・コーミッシェ・オーパーの第1カペルマイスターの地位を務めていた。また、作曲も手がけ、《チベット・インプレッション》などの作品もある。
8月 12, 2006 | Permalink
2006年8月10日 (木)
第4回東京音楽コンクールの弦楽器部門とピアノ部門の本選
昨年、第3回のピアノ部門で弱冠14歳の北村朋樹が優勝して話題となった、東京音楽コンクールの弦楽器部門とピアノ部門の本選が、今月末に東京文化会館で行われる。このコンクールは、有望な新人音楽家を発掘し、育成・支援を行うことを目的とし、2003年から東京文化会館で行われているもの。まず弦楽器部門が8月25日(金)、ピアノ部門が同28日(月)の共に午後5時から開演となる。今年から本選の協奏曲課題にはオーケストラ伴奏(沼尻竜典の指揮による東京フィルハーモニー交響楽団)を導入する。なお、本選出場者は下記の通り。
●弦楽器部門
江島有希子(ヴァイオリン)
アデル・亜貴子・カーンズ(チェロ)
依田真宣(ヴァイオリン)
小熊佐絵子(ヴィオラ)
●ピアノ部門
佐野沙希
川田健太郎
齋藤一也
水谷桃子
[関連ページ]
弦楽器部門 http://202.212.163.115/ticket/ticket.php?show&339
ピアノ部門 http://202.212.163.115/ticket/ticket.php?show&372
8月 10, 2006 国内ニュース | Permalink
2006年8月 9日 (水)
初公開も多数。モスクワでショスタコーヴィチ展
【モスクワ発】「ショスタコーヴィチ、交響の世紀」と題された展覧会が3日、モスクワの中央展示ホール「マネーシ」で開幕した。ロシア芸術公文書館、モスクワ写真館とショスタコーヴィチ資料室の共同主催による展覧会で、展示物は未公開のものも多く、内容は3ジャンルに分けられている。
第1展示は、彼の肖像画コーナーで、多数の鉛筆書きのスケッチや友人による戯画。第2展示は、彼の写真コーナーで、しばしば目にする有名なものから今回が初公開の未知のもの、例えば、1歳の時のお宝写真まで多数が展示されている。
また、第3展示は、音楽的秘宝コーナーで、自筆譜のほか、彼が音楽を担当した映画のポスターが集められた。1958年にオックスフォード大学の名誉博士号授与式のコートや家庭で使った燭台など、身の回りの私物が多数出品されているのも特徴。また、映画の一部に加え、コンサートやリハーサルなど、ショスタコーヴィチ自身が登場するドキュメンタリー映像もここで上映される。
展覧会は彼の100回目の誕生日に当たる、9月25日まで続く。
8月 9, 2006 | Permalink
2006年8月 8日 (火)
中国・哈爾濱で1000人のピアノ演奏会
【哈爾濱発】中国黒竜江省の省都、哈爾濱(ハルビン)市で6日、夏の風物詩として知られる第28回「ハルビン夏のコンサート」が開幕した。話題を集めたのは、開幕式で行われた1000人のピアニストによる演奏会。経済的な発展が続いている中国では楽器を習う人たちが年々増えており、ピアノが最も多く、約500万人が学んでいるという。ハルビンは20世紀初頭に西欧文化の花開いた街で、故・朝比奈隆も指揮した、亡命ロシア人、亡命ユダヤ人による哈爾濱交響楽団が戦前から活動していた。
8月 8, 2006 | Permalink
2006年8月 7日 (月)
大野和士が「プロムス」デビュー
BBCウェールズ・ナショナル管(BBCNOW)を指揮
【ロンドン発】指揮者の大野和士が3日、ロンドンの夏の風物詩「BBCプロムナード・コンサート」にデビューした。大野はBBC交響楽団をはじめ、ロンドンには折に触れ客演しているが、伝統のプロムスには今回が初登場となる。指揮したのは、かつて尾高忠明が指揮者を務めたBBCウェールズ・ナショナル管弦楽団。細川俊夫の《循環する海》の英国初演をはじめ、マーラーの《さすらう若人の歌》、後半に音楽祭の今年のテーマ作曲家の一人、ショスタコーヴィチの《交響曲第15番》を取り上げた。
「プロムス」の愛称で親しまれている「BBCプロムナード・コンサート」は、往年の名指揮者サー・ヘンリー・ウッド卿ゆかりの夏の音楽祭。毎年、最終日の「ラスト・ナイト」のお祭り騒ぎで有名で、親しみやすさに加え、ロンドン交響楽団やベルリン・フィルといった内外の一流オーケストラが客演、委嘱新作初演をはじめとする現代音楽の紹介にも例年力を注いでいる「真面目」なフェスティヴァルでもある。今年で112回目のシーズンを迎えた。
英国初演された細川の《循環する海》は、ザルツブルク音楽祭の委嘱作品で、昨年夏、ゲルギエフ指揮のウィーン・フィルにより世界初演された管弦楽曲。大野は、細川のスコアの細かな襞の一つ一つを丹念に磨き上げ、ザルツブルクにおける初演時とはひと味もふた味も異なる小宇宙を描き出した。
また、今回の演奏会の前には、プレ・イヴェントとして「作曲家ポートレート」と題された催しも開かれ、細川自身のトークに加えて、《ヴァーティカル・タイム・スタディI》などの室内楽作品の演奏も行われた。オペラ《リアの物語》の上演をはじめ、フィルハーモニア管の「ミュージック・トゥデイ」シリーズでの特集、あるいは、ハダースフィールド音楽祭など、イギリスでの細川受容は着々と進んで来たが、今回の大野のプロムスでの成功は、その展開を一気に進めるものともなるだろう。
8月 7, 2006 | Permalink
2006年8月 4日 (金)
【訃報】シュワルツコップ/ソプラノ歌手
マリア・カラスらと並ぶ20世紀を代表するソプラノ歌手の一人、エリーザベト・シュワルツコップが3日、オーストリア西部のフォアアルルベルク州シュルンスの自宅で亡くなった。90歳。死因は不明。
シュワルツコップは15年12月、ポーランドのヤロチン(当時はドイツ領)生まれ。ベルリンの音楽学校で才能を見い出され、38年にベルリンでオペラ歌手としてデビューした。ウィーン国立歌劇場などを中心に活躍。モーツァルトやリヒャルト・シュトラウスのオペラなどを得意とし、ヴィルヘルム・フルトベングラー やヘルベルト・フォン・カラヤンといった名指揮者たちと共演を重ねた。シュトラウスの歌劇《ばらの騎士》の元帥夫人など、シュワルツコップの魅力が光る名録音も数多い。
現役からは1970年代に引退。引退後、かつてナチスに関与した過去を認めたが、歌手生活を続けるためだった、 などと説明した。その後も、名伯楽として、トマス・ハンプソンなどの名歌手を育てた。
8月 4, 2006 | Permalink
三枝成彰のオペラ《Jr.バタフライ》
プッチーニ・フェスティバルで上演
【トーレ・デル・ラーゴ発】三枝成彰作曲のオペラ《Jr.バタフライ》が3日、イタリアのプッチーニ・フェスティバルで上演された。日本人のオペラ作品がイタリアで上演されるのは意外にも初めて。また、プッチーニの作品を上演してきた音楽祭で、プッチーニ以外の作品が上演されるのも初めてとあって、イタリア国内で公演前から大きな話題を集め、この日のイタリア初演には2000人を超える聴衆が詰めかけた。中村雄二・駐イタリア大使ら、日本の関係者も観劇した。上演は3日に続いて、長崎に原爆が落とされた9日にも行われる。
三枝の《Jr.バタフライ》は、プッチーニのオペラ《蝶々夫人》の続編をめざした作品で、舞台は太平洋戦争中の日本。台本は作家の島田雅彦氏が手がけており、「蝶々夫人」の忘れ形見で米国人の「Jr.バタフライ」と日本人の恋人ナオミとの愛の物語が展開する。《蝶々夫人》初演の100年後に当たる2004年に東京で初演、2005年には初演版に手を入れた神戸版が阪神淡路大震災復興10年を記念して上演され、話題を集めた。
今回のイタリア公演は、台本を手がけた島田氏が演出も担当。佐野成宏(Jr.バタフライ役)、佐藤しのぶ(ナオミ役)、直野資(野田少佐役)、大島幾雄(マッカラム・レバイン役)といった初演時のメンバーが顔を揃えた。大友直人がプッチーニフェスティバル・オーケストラを指揮。また、イタリア公演には、照明デザイナーの石井幹子、デザイナーのコシノジュンコ、舞台美術の松井るみ、ダンサーの伊藤キムら、世界的な活躍を続けるアーティストたちが加わった。
午後9時過ぎから始まった上演で、竜安寺の石庭をイメージした舞台が浮き上がると、会場からは大きなため息が漏れた。その石庭に巨大な仏像の頭部が転がっており、日本が激しい戦争の中に置かれている状況を暗示する中で物語が進んだ。コシノの衣装は物語の当時をイメージしたもので、佐藤の演じるナオミは着物姿。また、世界的なダンサーの伊藤キムは新たに生み出された「死神」の役を演じ、日本から参加した六本木合唱団倶楽部も熱演を繰り広げ、出演者は終演後に大きな拍手を浴びた。
8月 4, 2006 | Permalink
2006年8月 3日 (木)
メゾ・ソプラノの林美智子がCDデビュー
【東京発】ペーター・コンヴィチュニーの演出で注目された4月の二期会公演《皇帝ティトの慈悲》で秀逸なセストを演じたメゾ・ソプラノの林美智子がこのほど、ビクターエンターティンメントからCDをリリースすることになった。ビゼーの《カルメン》やモーツァルトの《フィガロの結婚》などから、メゾ・ソプラノの代表的なアリアを集めたもので、《皇帝ティトの慈悲》からも2曲が収録されている。なお、林は9月の二期会公演《フィガロの結婚》でも、得意のケルビーノ役で出演する。
8月 3, 2006 | Permalink
2006年8月 2日 (水)
東大寺でオペラ歌手とスカパラが競演!?
【奈良発】世界遺産の奈良・東大寺大仏殿で今秋、日本を代表するスカバンド「東京スカパライス・オーケストラ」とバリトンの大島幾雄、ソプラノの松井美路子、テノールの樋口達哉らオペラ歌手がライブで共演することになった。平家の焼き討ちなどで焼失した東大寺の復興のため全国を募金して回った鎌倉期の僧、重源上人(ちょうげん・しょうにん) の没後800年を記念したもの。ジャマイカ音楽とクラシック音楽のいわば異種格闘技ともいえる組み合わせに注目が集まっている。ライブは10月14日、19時開演。
[東京スカパラダイスオーケストラ × オペラシンガーズ in 奈良東大寺]
http://skapara-toudaiji.com/index.html
8月 2, 2006 | Permalink
サンクト・ペテルブルグ音楽院の規模を拡充
【サンクト・ペテルブルグ発】ロシア政府はこのほど、サンクト・ペテルブルグ音楽院(かつてのレニングラード音楽院)の規模を拡充、音楽学園都市化をめざすことを決定した。特別幼児音楽学校、民族音楽センター、音楽院付属国立オペラ・バレエ劇場などのいくつかの新機関が学部として加えられることにもなるという。サンクト・ペテルブルグ音楽院は音楽の名門としてチャイコフスキー(第1期生)、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ、ムラヴィンスキーなどの大音楽家を多数輩出、2012年に創立150周年を迎える。現在、巨大な新校舎が建設途中にあり、旧校も2009年から大改修に入る予定。創立者アントン・ルビンシテインが当初から設置した作曲、ピアノ、弦楽、声楽の4学部は旧校舎に残るが、残りはすべて新校舎へ移ることになるという。現在の生徒数は約1600人で、改修後にはそれを2500人まで増やしたいという。
8月 2, 2006 | Permalink
2006年8月 1日 (火)
ベートーヴェン所有のヴァイオリンによるCD発売
【ボン発】ベートーヴェンが所有していたヴァイオリンで演奏したCDがこのほど、ボン・ベートーヴェンハウスから発売された。曲はベートーヴェンのピアノとヴァイオリンのためのソナタ作品23と30の2他。ベートーヴェンは1800年頃、リヒノフスキィ侯から4丁の弦楽器を贈られ、ベートーヴェンはこの楽器にナイフで「B」と刻印していた。
今回の演奏に使われたのは1995年にザルツブルクで発見されたこのうちの1丁で、ザルツブルクで1700年頃製作されたといわれる。ボンのベートーヴェン・ハウスが本物と認証している楽器で、演奏したのは、ヴァイオリンがダニエル・セペック。ハンマーフリューゲル(1824年製)がアンドレアス・シュタイアー。CDは19.90ユーロで、ボン・ベートーヴェンハウスのホームページwww.beethoven-haus-bonn.deから注文できる。
8月 1, 2006 | Permalink